MAツール導入を失敗で終わらせないポイント3選

MAツール導入を失敗で終わらせないポイント3選

市民プールの年間パスポートを買ったのに、2回しか行かずに1年が過ぎたことがある澤谷です。「買ったら行く!」と意思を固めるためにあえて年パスを買ったんですけどね……(苦笑)。

このように買って、契約して満足し、結局利用できなかった、ということは誰しもあるのではないかと思います。

実は私が以前働いていたオンライン英会話の会社では、マーケティングオートーメーション(以下MA)ツールを導入したにもかかわらず、さまざまな理由から1年ほどで解約となりました。隣の部署で導入がうまくいったら、我々の部署にも、と期待をしていたのですが……。当時を振り返りつつ、MAツール導入を失敗で終わらせないためのポイントをみていきます。

1 目的・目標を明確にする

その頃、私の周りのメンバーたちは「MA(製品名は伏せます)っていう魔法のようなツールが日本に上陸したらしいぜ」とワクワクしていました。社長含め新しいもの好きが多く、気づいたらMAツールが導入されていました。

まずは新規有料会員獲得にMAツールを使う。うまくいったら、既存会員の継続利用向け(私の部署が担当)に使うという流れで導入したと記憶しています。

これ、「目的」に見えますが、「使う」と言っているだけで目的にはなっていないので、実は何も決まっていないとも言えます。

今、自社の無料会員獲得後に、十分な人数が有料会員化していないので、有料会員になるメリットを訴求しつつ、タイミングに応じて有料会員登録へと自動的に誘導するためにMAツールを導入する」くらいまで決めておけば、導入が成功して我々の部署も使えていたかもしれません。

「導入したらきっと効果が出る〜、楽になる〜」とフワっとした感じだと、具体的な目指すべきゴールが見えないため、いざ導入してもやるべきことの方向性すらも見失って失敗する可能性が高いです。

2 導入前に大まかに運用設計をする

そんなフワっとした感じで導入され、「あとはよろしく」と託された隣の部署のマーケ部員は1人。自社システムのデータの持ち方とMAにどう反映されているかを理解し、MAツール自体の勉強をしながらゼロから運用設計をしていたので、かなり苦労をしていました。(MAツールベンダーは使い方のアドバイスをしてくれますが、当然手は動かすわけでもないですし、必要な施策が何かを教えてくれるわけでもありません。)

前社のサービスでは、MAツールとは別の顧客管理システムでレッスン予約や受講、料金支払い状況などの情報をまとめて管理し、必要な場合はシステムからメールを即時送信していました。そこで、まずはイメージしやすいあたりで新規施策にとりかかる前に、メールの配信は全てMAツールに集約しようと考えましたが、MAツールとの同期は5分に1回の頻度でした。

「5分に1回の同期」というと十分なように感じますが、それでも遅過ぎてしまうような、リアルタイムじゃないといけないケースもあります。例えば、レッスンを予約した3分後に「あ、やっぱりやめた!」とキャンセルした場合、5分に1回の同期ではタイミング次第で、レッスンをキャンセルした後なのに「予約確認メール」が配信されるといった、ユーザーの行動との不整合が生じてしまいます。そしてキャンセル受付のメールが、さらにそこから5分遅れて送信されてしまうのです。

じゃあ、同期する頻度を1分とか10秒とかにすればいいのでは? と思われるかもしれません。しかしそもそもMAツールがそこまでの高い頻度で外部システムと同期をとることを想定した構造ではないため、無理にそれをやろうとすると、今度は違うところにシワ寄せが来てしまいます。

今振り返ってみると、同じ「メール」だからと言って、その送信の全てをMAツールに置き換えるべきではありませんでした。MAツールで送るメールと自社の顧客管理システムから送るメールを、それぞれのツールの特性と送信する目的に合わせて分けたままにするのが正解だったのでしょう。

「何のために」導入するのかを考えると同時に、具体的に「運用した段階で何が起きるか」も考えながら設計する必要があるのです。

3 リソースの確保をしっかりと!

さて、MAツールの各種設定も整理され、いよいよメールで送るコンテンツを準備する段階。他のメンバーは忙しくて頼れず、また先ほど書いたようにツールベンダーはメールの作成を手伝ってくれるわけでもないので、マーケ部員は1人で頑張っていました。とは言え、慣れないツールの設定に加えて、何もないところから新たにコンテンツも作るというのは、1人でこなすには荷が重い話です。人的リソースは見過ごされがちですが、非常に重要です。

そしてお金。

そのMAツールは、データベースに格納されている人数に応じて料金が変動するため、当時40万人分あったリードも、予算の都合で一部だけに抑えて「スモールスタート」から始めることにしました。

もちろん予算の都合で投入するリードを絞る、導入後に不要なリードを削除するのは必ずしも間違いではありませんが、「かなり」抑えたわずかな人数だけを対象にして、果たして効果が出るのかは疑問でした。

例えば、車を買ったけど、走らせるためのガソリンは「スモールスタート」と称して月に10km走行する分しか予算を取っていなかったら、車が悪いわけじゃないのに、使い物にならないですよね。

そんなこんなで効果が出ないまま、1年でMAツールの活用を断念して契約を終了してしまいました。

的確なサポートをしてくれるパートナー探しが重要

後から振り返ってみれば失敗要因は明白に思えますが、当時は横目で見ていた私でも失敗するとは思っていませんでした。これを読んでいるあなたも、導入を検討するならこの教訓を生かしてほしいです。

そうは言ってもやったことも使ったこともないMAツールを導入するとなると、一分の隙なく完璧な計画を立てるのは少々現実離れしているかもしれません。

やっぱり経験豊富で成功事例を多く持つパートナーと組み、もともと抱えているビジネス課題に対する解決策や、そこに至るためのMAツールの活用シナリオを一緒に考えて、時間を無駄にしないために手も動かしてもらうのも堅実な選択です。

それができるのがルシダスです。

そもそも導入によって見込める収益が投資するに値するのかも含めて、まずは壁打ち相手になれますので、お気軽にご相談ください。

執筆者プロフィール

澤谷真由子
澤谷真由子
90年代バンドブームの頃に中学・高校生時代を旭川で過ごし、深夜音楽番組を見たり、『GB』『Rockin’ on Japan』といった雑誌をたくさん読んでいました。「バンド…[続きを読む]

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