そろそろ、自称ではなく、誰かが「マーケティングロックスター」の肩書きで声に出して呼んでくれないかな〜と夢見てる、ルシダスの池上です!
本日のブログのタイトルは、はっきり言って釣りです(笑)。
私自身、こういうバズワードみたいなのは「もっともらしい響き」で実は何のことはない、ということが多くて嫌いなんですが……。
というわけで、そんなバズワードを逆説的に考えてB2C(= Business to Consumer)やB2B(= Business to Business)に関わるマーケターの悩みについて考えてみました。
マーケティング施策の説明や提案をしていると、「それってB2B(B2C)での活用事例ってありますか?」というような質問をよく受けます。
B2Bが中心のマーケターは「B2C事例って多いけど……」と嘆き、B2Cが中心のマーケターは「B2B事例の方が豊富なんだよねー」とボヤくのです。
要するに、隣の芝の方が青いんだな〜と、興味深く感じております。
2つの言葉の由来
さて、そんなB2BやB2Cという表現ですが、私がマーケティングを始めたばかりの頃、少なくとも日本では広く使われている表現ではありませんでした。
それが10年ちょっと前ぐらいから徐々に一般化してきて、今では常識的に使われています。
これは元々、「マーケティングのコストが比較的廉価で店舗購入する傾向が強い消費財と、比較的高額な価格設定で営業マンと交渉して購入する傾向が強い業務用品とでは、取りうる手法が違う」という微妙に小難しい見解を、少しわかりやすくするために使われるようになった表現です。
食器用洗剤を切らしたから、夕飯の材料を買いに行ったついでにスーパーで買ってくるようなお買い物と、会社のすべての部門で使う複合機10台を購入するのとでは、全く性質が違いますよね?
ところが、B2BやB2Cという言葉が浸透するにつれ、すぐに「B2Cの事例」や「B2Bの事例」に縛られるようになってきたのを、繰り返し見るようになりました。
つまり、B2B事例だからうちには関係ないとかです。
重視すべきは購買パターン
でも、よくよく考えてください。私は自動車業界のマーケティングを長くやっておりましたが、そんな自動車をディーラーで買う大多数は、一般消費者です。
買い替えは平均して7年に1回(今はもうちょっと伸びてますかね)。衝動買いはほとんどなく、通常は車検切れ6〜1か月前の決まった時期の購入。
店舗を訪問していきなり買うのではなく、単独決断もできず家族の意見を取り入れ、営業マンと話しながら、多少の価格交渉をしたりします。
この購買パターンは、限りなく一般的なB2Bと同じなんです。
対して、ライフサイエンス関係の部門や研究所が、実験用の試薬を購入するパターンで考えるとどうでしょう。
それでも消耗品という範囲内の、個人でも買えてしまう価格帯の製品が多い。
切らす前に買い足す必要があり、それなりには日持ちはするから安い時期にちょっと買い溜めたり、年度末の予算が少し余ってたら多めに買っちゃったりします。
この程度であれば稟議を通す必要もなく、自分のハンコを突くだけで買えてしまうことも珍しくありません。
完全に業務用品ではありますが、その購入パターンは食器用洗剤に限りなく近い。
つまり、一般的なB2Cと同じなんです。
要するに、マーケティング活動をわかりやすく説明するために、B2BやB2Cという表現が使われているものの、本質的には商材やその会社の売り方、顧客の買い方のパターンは多種多様であり、そのために実行可能な施策も多肢にわたります。B2Bでありながら一般消費財の売り方からアイディアが生まれる場合もあれば、B2Cでありながら業販品の売り方からヒントが得られる場合もあります。
これと同じように、例えば製薬業界が自動車業界の手法を取り入れたりするなど、業界をまたいでアイディアを活かすことが可能ですから、そんな可能性の芽を摘んでしまうような線引きはあまりするべきではないと、私は思っています。
(事実、これまでも、異業種のアイディアを転用した提案を実施し、大きな成功を何度も収めてきましたので、これは机上の空論ではありません。)
行き着くところは「人」
そして、大事な視点がよく欠落しているのですが、それは、B2CであってもB2Bであっても、買うのは「人」、つまり「HUMAN」であるということ。
B2Bの場合、請求書に書かれるのは社名や部署名でしょうが、購入を決断しているのは一人ひとりの個人です。
そういう意味では、「対法人事業」なんていうビジネスは存在しないんです。法人は、あくまで法律上のペルソナにすぎません。
あえてB2H(= Business to Human)という言葉を、本ブログのタイトルで使ったのは、そいういうことなんです。
マーケターの皆様には、戦略や施策を考える時も、成功事例や過去事例を探す時も、この観点を忘れないでいてほしいと思っています。
ABMも本質は同じ
最近ではABM(= Account Based Marketing)というバズワードが盛り上がり始めていますが、これもまた、私が掲げるB2Hという概念を取り入れたマーケティング手法の一つです。
例えば、自動車ディーラーにせよハウスメーカーにせよ、一般消費者を相手にするビジネスであっても、最終意思決定者だけでなく、そのプロセスの途中で影響を与える人(多くの場合は奥様を始めとした家族)に対しても働きかけをしなければ商品は売れないというのは、わかりきっている話です。
そういう考え方を、B2Bの世界に持ち込んでシステム化しているのがABMとも言えますから、いかに「相手は人間である」という発想が重要かがわかると思います。
ルシダスでは、このように幅広い業態や業種の経験を活かして戦略提案を行っております。
「マーケティングロックスターの池上さん、何かいいアイディアないですか?」というお問い合わせをお待ちしております!(笑)
執筆者プロフィール
- 株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]
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