注意力散漫していないメディアは?

注意力散漫していないメディアは?

常に追い立てられているせいか、大人のADHDなのか、今日も注意力散漫なマーケティングロックスターの池上です!
(※編集注記:このブログも追いかけて追いかけて、入稿期限3日遅れでやっと頂きました……。)

さて、マーケターの皆様なら一度は聞いたことがあるかも知れない、2002年には12秒あった注意持続時間も2013年には8秒にまで縮まり、金魚の9秒をも下回っているというお話。

これは、話題性はあるしプレゼンに盛り込むとドッと笑いが取れるので、私も使いますが、実際のところはちょっと語弊があるというか、事実相違もあります。

が、それでも使うのは、おおむねマーケターの肌感覚とマッチしてるからです。

注意力の低下に歯止めがかからない

デジタルチャネルの急拡大、スマホを始めとしたデバイスの浸透、複数デバイスを利用した「ながら視聴」など、私たちの生活のありとあらゆる方向から注意を引きつけようとあの手この手で頑張っているわけですから、注意力が散漫化する傾向は、当然と言えば当然です。

かくいう私たちマーケターもそこに加担しているわけです。
ウェブサイトに上がってくるバナーをいかに目立たせるか、クリックさせるか、読ませるか。

このわずかな注意持続時間を最大化しようと、メッセージはどんどんコンパクトになっていき、どうやって一瞬の間にこちらの意図を伝えるか、みな必死だと思います。

しかし、そんな中、注意持続時間が伸びているメディアがあるとしたら、どう思いますか?(そして、使ってみたいですよね?)

実は、あるんです。

驚愕! 注意持続時間が伸びたメディアとは……

メールの検証ツールであるLitmusの機能の1つ、Email Analyticsによって収集された数億ものメールの配信分析の結果、メールの注意持続時間は2011年に10.4秒だったものが、2016年には11.1秒にまで伸びたそうです。
1秒弱の伸びでしかありませんが、7%の伸びと言われれば侮れない事実です。

この調査結果、さらに興味深いことは、大方の予想に反してモバイルデバイス(スマホやタブレット)での平均視聴時間が伸びている点です。

Litmusでもいくつか推考していますが、理由はいくつかあるのではないかと思います。

まず、2011年当時はまだモバイルデバイスに最適化されていないメールが多く、モバイルで読むに耐えない内容だったこと。
また、テキストメールが(特に日本では)主流で、 これまた読みにくい上に興味を持たれない見せ方だったことなどが挙げられるのではないかと思います。

メールの配信効果を高めるTips

いずれにしても、ここで私が注目しているのは、メールという(デジタルマーケティングという尺度で言えば)古来より存在するようなメディアだからといって、読み手の注意を引く力がなくなっているわけではない、という点です。

つまり、メールそのものは十分に有効性が高いメディアであり、問題はそのチャネルとしての活用方法にある、ということです。

  • メールを開封してもらえるだけではない、

    単なる「釣り」ではなくメッセージの本質を的確に伝えられる件名になっているか?
  • モバイルでも読みやすく、読みたくなるようなデザインになっているか?

    テキストメールは論外としても、HTMLメールの場合は(レスポンシブにするなど)デスクトップだけではなく、モバイルデバイスでの読みやすさも意識しているか?
    また、表示がきちんとなされるか、きっちりテストしているか?

  • 配信される時間とメッセージの内容は適切か?

    例えば、休憩時間中は、仕事よりもプライベートの楽しい出来事にまつわるメールの方が読みたくなりますし、1日のどの時間帯に受け取るかによっても注意力は変動します。

  • 複数の題材を1つのメールに詰め込んでいないか?

    ワンメッセージを的確に、斜め読みでもポイントが伝わるようにする工夫が必要です。

  • 配信停止リンクは分かりやすい配置になっているか?

    表示が明確じゃないと、受け手は面倒だから「迷惑メール」ボタンを押してしまいます。
    例えば、配信されたメールのうちの8%が迷惑メールボタンをクリックされてしまうと、Gmailはその送信元のすべてのメールを「迷惑メール」と判断してしまうんですよ!

などなど……工夫できることはどんどん工夫していけば、メールというコミュニケーションチャネルの効果も最大化できるというわけです。

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執筆者プロフィール

池上ジョナサン
池上ジョナサン
株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]

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