「メルマガに登録したい方は申し込み用紙にメールアドレスをご記入の上、FAXにてご返送ください」というメルマガ登録案内(注:他社のです)が目に止まり、朝からちゃぶ台……じゃなくてパソコンをドーン! とひっくり返しそうになった、ルシダスの代表取締役・マーケティングロックスターの池上です!
今日はタイトルのまま、ズバリ!
メールに複数の題材を詰め込んでいる方への注意喚起です!
はい、ドキドキしながら読み進めているそこのあなたですよ!(笑)
要らないモノ尽くしの福袋、欲しいですか?
日本では古くからマーケティングメールの代名詞として、企業が「メルマガ」なるものを発行するという習慣のようなものがあります。
そして多くの場合、その実態はマガジン(つまり読みもの)からは程遠い。
アレもコレもと複数の題材を詰め込んだ、要らないものがいっぱいの福袋のようなメールです。
B2B企業に多く見られる、様々なイベントや製品の案内を1つにまとめた営業メールもあれば、B2Cでも
スーパーのチラシのように脈絡もなく特売やセール商品を大量に掲載したりしているものもあります。
長々と書きません。
単刀直入に、これはすぐにやめましょう。
だって「今日は、ちょっと企業メルマガを隅々まで読んでみたい気分だな♪」なんていう人はいませんよね?
我々マーケターでさえ、仕事以外ではひとりの個人であり消費者であるわけですから、人の気持ちに立つまでもなく、これはわかるはずです。
ましてや、開封したメールに割かれる時間はわずか11秒前後ですから、複数題材あると斜め読みすらしません。
セグメンテーションしてますか?
そもそも、どうしてそこまでトピックを詰め込むの?
その理由について思い巡らしてみたところ、はっきりと見えてくる事柄が2つあります。
1. セグメンテーションやターゲティングができていない
厳選した題材に絞り込みたいのは山々だけれども、配信しないといけないトピックスが色々ある。
セミナーの告知に、新製品の案内に、アレやコレ。
でも、冷静に考えてみてください。
大阪に事業所がある会社の人に、福島県郡山市で開催されるイベントの告知をする意味などあるのでしょうか?
また製品案内に関しても、「今」その情報を出すのが適切かどうかはケースバイケースなはずです。
つまり、メルマガが散弾銃化してます。
おおよその方向に向けて引き金引いたら、あとは色々と当たることを願うのみ。
本来、MAツールをはじめとしたマーケティングデータベースが正しく使えていれば、そこまで労せずとも、適切な切り口で対象を細かくセグメンテーションできるはずです。
その結果、「郡山近辺にいる人にだけイベントの案内をする」、あるいは「その製品のライフサイクルで買い変え時期に到達している人にだけ、新製品や保守対応終了のお知らせなどを送る」ことができるようになるのです。
これならメールの件名もより明確な内容に絞り込めますから、興味関心のある人だけが開封して読んでくれる可能性が高まります。
2.「あわよくば」という欲が出ている
正しくターゲティングできていないケースでよく聞かれるのが、この「あわよくば」症候群。
「たしかにターゲティングはあまり細かくできていないが、大事なのは最初の題材で、それ以降のものは、あわよくば読んでもらえれば儲けもの!」と考えた結果……というよりも、言い訳に近いですね。
でも、ご自身の行動パターンで考えてみたらわかりそうなものですが、メルマガを開封して、最初の題材に興味がなかったらどうしますか?
スクロールして次のを読んで、さらに次のを読みますか?
それとも、閉じてしまいますか?
私などは、論点がぐちゃぐちゃのメルマガは最初の題材すら読まずゴミ箱に葬っていますが、百歩譲って1つ目のトピックを読んだとしても、よほど興味のあるトピックが続かない限り、丁寧に下までスクロールする人はいないでしょう。
ちなみに、こういう「あわよくば」という妄想を助長している原因の1つが、開封率というあやふやなKPIへの過剰な信頼でもあったりします。
つまり、「開封したということは……読んでくれたんだな!」と勝手に好意的に解釈しているケース。
でも、クリックスルーを確認すれば、必ずしもそうではないことは明白ですね。
ということで!
効果的なマーケティングメールを配信したければ、今すぐ! 複数題材のメルマガの配信はやめましょう!
なお、B2Cにはウィンドウショッピングの概念もあったりしますので、ごく限られたケースではこの提言がそのまま当てはまるわけではありません。
……その判定にはぜひ、あなたの天邪鬼力も一緒にブラッシュアップして、事の本質から考えてみることをお勧めします!
執筆者プロフィール
- 株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]
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