最近、Marketoのノウハウ知識で熊さんに追い抜かれそうになっている、マーケティングロックスターこと池上です!
そんなMarketoをはじめとするほとんどのメール配信ツールでは、メールの受信者がそのメールを開封したかどうか計測しています。
私たちマーケターはその開封データを使ってレポーティングに活用し、PDCAを回しているわけですが……。
では、「受信者がメールを開封したかどうか」を、メール配信ツールはどのような仕組みで判断しているのでしょうか?
もしわからなかったり、あやふやにしか答えられない場合……このブログは 必読 です!
仕組みを知らないと、ちょっとした落とし穴もあるのです。
メールの開封はこう判断
まずはメールの仕組みをおさらいしましょう。
メールを送信するサーバーから、今度はメールを受信するサーバーに送られ、そしてその受信サーバーから受信者がメールを受け取ることになります。
途中途中でいくつかステップがあるわけです。
しかし、このようにして送信されたメールが開封されたかどうか、個別のメーラーが教えてくれるわけではありません。
「開封確認メール」という仕組みは古くからありますが、これを送信するもしないも、個別のメーラーの仕様や受信者の善意にかかっており、現実的にはほとんど使い物になりません(マニアックな仕様が気になる方はMessage Disposition Notificationについて規定したRFC3798をご一読ください)。
では、ツール側はどうしてるのかというと。
メールの中の画像が、ウェブサーバーから読み込まれたことを検知して、「開封した」という事実を間接的に判断しているのです。
え? それってどういうこと?
画像で開封判断! つまりそれは……
HTMLメールでは通常、画像をメールそのものに埋め込むのではなく、外部のウェブサーバーを参照して画像を表示させているんです。
そうすることで、配信されるメールが異常に重たくならないように配慮もしていますし、トラッキングも可能になります。
詳細な仕様は、メーラーによって多少異なります。
ツールによっては、HTMLメールに含まれている画像が読み込まれた事実を判定している場合もあれば、Marketoのように、送信者が作ったHTMLメールの画像とは別に、ツール側がメールに1pxの透明な画像を追加して、その画像が読み込まれたことで判断する場合もあります。
しかし、重要なのは「画像」をもって「間接的に判断」している点です。
ですから、HTMLを使わずにテキストだけで送信されたメールは、開封判断が不可能なんです。
まだまだある! 開封判断の落とし穴
これ以外にも、意外な落とし穴があります。
例えば……
開封したのに把握できないパターン
・受信メールサーバーがHTMLメールを拒否し、テキスト版のみを受け取るケース
・個別メーラーが画像を読み込まない設定にされているケース
B2Bの場合、セキュリティーポリシーによっては、特定の会社のすべての人の開封が判断できない、なんていうケースも出てきます。
逆に、本当は開封していないのに「開封した」と判断されるパターンもあります。
・メールサーバーが、SPAMやウィルス検査のために、受信者に引き渡す前にメールに含まれるすべてのリンクを事前に開封検査しているケース
こういうこともあるので、もちろんHTMLメールでは開封率の正確な把握は不可欠ではあるものの、しかし数字そのものはあくまでも参考値でしかなく、本来はレポーティングに使うKPIとしては不適切でもあるというわけです。
開封判定の仕組みがわかるようになることで、戦略へのフィードバックにも役立てられますので、ぜひ参考にしてみてください!
開封判定の仕組みはわかったけど、それでもやっぱりメールの効果が上がらない、という方はこちらのコンテンツもどうぞ。
執筆者プロフィール
- 株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]
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