こんにちは! 1億円の腹を目指すべく1日3回の修行を欠かさない、マーケティングロックスターの池上です。
ご存じの通り、ルシダスは北海道旭川市に本社を構えておりますが、動物園やスキー、登山、さらに美瑛の丘陵地帯や富良野のラベンダーなど見どころがたくさんあるので、国内外から多くの観光客が訪れる地域です。
当然地元では観光収入や地域おこしを目的に、祭りやイベントなど多種多様な取り組みを行っていますが、中でもその手軽さから多くの地域がチャレンジしているのが、いわゆる「名物料理」です。
北海道には、道外ではあまり知られていない食べ物がいくつかあります。
個人的に好きなのは漁師町で生まれたという「塩辛じゃがバター」(漁師のじゃがバターとも)です。
新鮮なスルメイカを使った作りたての塩辛を、バターたっぷりのふかしじゃが芋にのっけて食べるというもの。
知らない人からすればギョッとするような組み合わせですが、驚くほど相性が良く、衝撃的な美味しさです。イカ、じゃがいも、バターというその材料の組み合わせもまた、いかにも北海道らしいですよね。
でも今日お話しするのは、そういう地域グルメではありません。
「名物にうまいものなし」を体現したような「カレー」です。
ご当地で氾濫し続けるヤツら
マーケティングブログだというのを一瞬忘れて、個人的な意見で声を大にして言いたい。
カレーは地域名物料理じゃない! 料理の最小公約数だ! と。
北海道では、なぜかそんな「カレー」が名物の町が驚くほど多い。
南富良野エゾカツカレー、富良野オムカレー、美瑛カレーうどんなど、旭川の近隣エリアのみを見ても、これだけのものがあります。
でも、カレーですよ? カレー。
私もカレーは好きですし、食べたくなる時もあります。
それでも、旅行した先の町の食堂に入り、さて「名物は何?」と尋ねて「カレーです!」となれば、「他には?」って聞いちゃいます。
なぜなら、カレーは特別なものでもなんでもないんです。鹿カツは珍しいですが、それなら鹿カツ定食でもいいわけで。オムカレーは名物洋食屋でなら食べたいけどそれはお店を選ぶ話だし、カレーうどんにいたっては……。
なんでこうなったのか考えると、それは、とってつけたような内容の料理を「名産品」とするためには、広く多くのお店が参画しないと地域名物にならないから、という安易な考えなんだろうなと思います。
そうなると「誰でも作れる」料理が良いわけで、カレーなら! となるのだろう。カレーは美味しいし、ってね。
ストップ・ザ・安易な発想
でも、「誰でも作れる」料理が、果たして名物と言えるのだろうか?
本当に美味しい名物というのは、まずは誰かが作ってそれがじわりじわりと人気が出始めて、口コミなどで広まっていくようなものだと思うんです。
そして「上富良野の◯◯の△△は美味しいらしい!」と評判になるにつれて、「俺も! 俺も!」とばかりに同じような料理などを作る店が増え、それが地域の中での競争や独自性などと相まって、その土地の人気の名物に昇華するものなんじゃないでしょうか。
「よし、今日からこの誰でも作れる料理を名物と呼ぼう!」などというのは、「よし、中間管理職が会議室に集まって考えた企画をヴァイラルに流行らせよう!」と言ってるようなものです。
そして、そんなことで流行るなら誰も苦労しないわけです。(笑)
何が言いたいかというと、マーケティング施策は名物料理と似たようなところがあり、また、名物料理が作りたいならマーケティングから学べることもたくさんある、ということです。
受け手の感情考察が不在のまま語られるマーケティング論は、ご当地カレーのようなもので、惰性で注文される域を脱するのは困難です。
あともう一歩、相手のマインドに踏み込んだ発想に転換していきましょう!
執筆者プロフィール
- 株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]
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