「で、お仕事は?」 移住希望者から『希望』がなくなるまで

「で、お仕事は?」 移住希望者から『希望』がなくなるまで

田舎暮らし好きなら一度は憧れる「移住」

しかし移住を具体的に考える時にぶち当たる最初の壁は、何といっても「お仕事」ではないでしょうか。

まぁ中には「そもそも地方の暮らしが水に合っているのか」という前提の部分(不便な生活や濃い目の人間関係が苦手など)で踏み切れなくなってしまう方もいるとは思いますが、そうした前提を乗り越えてもなお仕事の壁は、移住希望者の前に大きく立ちはだかります。

2年前はその1人だった僕が2016年春、ここ(上川郡美瑛町)に移り「移住希望者」から「移住者」になった(「希望」がなくなった!)のは、ある求人に出会ったからでした。

「ずっとここで」を疑ってみる

16年の長きにわたり仕事をしてきた印刷業界からWeb業界に転じたのが30代の終わり。
そのきっかけは、毎年来る仕事が次々にWeb媒体に移行していったことでした。

そして転身したWeb業界でお世話になり8年を過ぎた頃、Web業界に移る前にも思った「ずっとここでいいのかな」という気持ちがまたも湧き上がってきて、以前から旅先として度々訪れていた美瑛を、移住先として意識し始めました。

初めは知り合いからのつながりで、宿泊業などの商売なども考えながらも、色々あって破談になったり諦めたり。

そんな矢先、並行して目を通すようになった求人で出会ったのが、ルシダスの募集広告だったのです。

驚いたのは美瑛町に(当時)本社を構えるこの謎の会社、そんな田舎で募集しているのが「マーケティングオペレーター」という、何とも耳慣れない職種であったこと。
そして代表の方は「池上ジョナサン」と、これまたかなり謎っぽいお名前!

そんな衝撃の出会いの発端も、やはり「ずっとここでいいのかな」という気持ちでした。

それはそうと、「移住」と「引越し」の違いって何?

デリピザと回転寿司

「マーケティングオペレーター」という仕事が自分に務まるのか少し迷いはしたものの、旭川エリアの募集が少ないこともあり、意を決して書類を提出。

後日札幌で初めて代表とお会いしたんですが、その時はお名前やルックスのインパクトもさることながら、日本人以上に流暢な日本語を操る人という印象が強かったです(スミマセン)

その後有難く採用のお知らせを頂き、美瑛に移るまでの半年間を在宅勤務で過ごしつつ準備し、翌春に移り住みました。

初めのうちはいわゆる「制作の現場」でずっと働いてきたクセがなかなか抜けず、「定時で帰る」というのが結構大変で、まだ明るいうちに退社するのにも違和感(というか罪悪感)ありました。

むろん「定時で帰る」といっても、それは働いた時間だけで判断される話ではありません。

時間内で決められた仕事をすべて終わらせるという、働きの内容も踏まえた上での話ですので、そこは誤解のないようにお願いしたいところです。
いや、誤解したい気持ちもわかりますけどね(笑)。

ご存じの方はご存じだと思いますが、デザイン制作の現場(特に印刷関係)は完全な受注産業で、印刷などの後工程がきっちり固まっていたりすると、それに間に合わせるよう制作するので、いきおい深夜延々と……みたいなことになってしまいがちなのです。

そうした常識から解放されて、今度は定時退社のための効率化が色々必要になり、それがちょっとしたカルチャーショック体験だったというのが正直なところでした。

どちらもある意味時間との戦いといえますが、その後に待っているものが充実のオフタイムと、かたや間断ない次の仕事となれば、それは雲泥の差ですよね。

働くことと暮らすこと

働くこと以外の「暮らすこと」についていえば、もともと田舎育ちの僕は好んで美瑛の町外れにある、離農した家をリフォームして住んでいます。

雪や寒さの心配はあるけれど、爆音で楽器を鳴らしてもOKだし、景色は言わずもがな。
車で30分走れば北海道第二の都市である旭川もほど近く。

おかげさまでここでの生活もだんだんと板についてきました。

時々かなり困るのはデリピザと回転寿司が近くにないこと(笑)ですが、それが最重要なら旭川に住むという選択肢もあるので、そのあたりは住まいをどこに置くかで解決できます。

働き方改革に関連して「ワークライフバランス」という言葉も色々取り沙汰されていますが、その中で個人の努力ではどうにもならない問題を、現在募集中のルシダスの求人が解決できるかもしれません。

特に札幌圏にあるWebなどのコンテンツ制作、マーケティングやプロジェクトマネジメントといった、旭川エリアでの募集が少ない(あるいはほとんどない)職種の方は、今のキャリアを生かしつつ暮らしのゆとりを手に入れるチャンスがあります。

「希望」という文字を捨ててしまいたい(笑)移住希望者の方、ご応募をお待ちしています。

地方で働く人をもっと増やして、ヒトやカネの4割が札幌圏に集中といういまの事態に歯止めをかけましょう(これは結構マジ)!

執筆者プロフィール

本田 一彦
本田 一彦
学校では音楽関係の勉強をしてきたにもかかわらず、写植オペレーター兼版下フィニッシャーとして、約30年前にそのキャリアをスタート。工場にゴロゴロいた、もと活版…[続きを読む]

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