マーケティングに携わるようになって気付けば20年近くになる澤谷です。
私はこれまでtoB、toC、新規顧客獲得、既存顧客向けマーケティングなどいろいろ経験してきましたが、「やっぱりリテンションって大事だよね」って思います。
最近、脚光を浴びつつあるカスタマーサクセスには欠かせない「リテンション」について考えてみました。
マーケティングの「1:5の法則」
皆さんは「1:5の法則」を聞いたことはありますか?
新規顧客に商品やサービスを販売するためには、既存顧客に販売する場合の5倍のコストがかかるという法則です。
既存顧客には、新規顧客獲得で必要な認知を上げるための施策、例えば、不特定多数向けの広告やダイレクトメールなど、費用がかさむ施策を打たなくてもよいので販促費は抑えられますよね。
たくさん新規顧客を獲得したものの短期間で退会、または一度しか購入されないよりは既存顧客のリテンションを行って顧客単価を上げる、長期的な関係性を築く、などLTV(顧客生涯価値)を引き上げた方が、長期的にみると売り上げは伸びるでしょう。
既存顧客のリテンションってどうやるの?
「じゃあ、既存顧客のリテンションってどうやったらいいんだろう?」
と思う方に向けて、例をもとに「私だったらこう考える」というのをまとめました。
例)
商材:toC向け月額サブスク方式の英語に関するオンラインサービス
課題:利用開始後、3か月で退会してしまうお客様が多い
マーケティングの状況:新規顧客向けマーケのみで、既存顧客向けのリテンション施策は何もできていない状態
【企画を立てる前に調べること】
- 3か月で退会する人と続いている人の違いを調べる
基本的な属性やメールの開封、クリック、サービスの利用の回数(利用開始した日から経過日ごと)などなど、違いがないか調べます。 - いつ退会の申請をしているかを調べる
月額サブスク方式の場合、実際のサービス利用終了日と退会申請をした日が異なることがあります。1と組み合わせると、いつ退会の意思を決定したのか、また、意思決定をする前の行動や思考がイメージできるでしょう。 - 本当の声を集める
お客様へのインタビューも良いのですが、本音が出てこないことも多いです。なので、カスタマーサポートに寄せられる声やTwitterなどをチェックして、リアルな声を集めます。
【企画の立て方】
上記のように、既存顧客向けアプローチのメリットは「すでに情報がある」ということです。そこから、「いつ・どんな人に対して、サービス内でどのような行動を促せばよいか」「マーケティングでできる範囲でどのようなサポートができるか」などを考えます。
といっても、「メールを送ってサービス利用を促そう!」といったゴリ押しはNGです。
サービスを継続しないのには何かしら理由があるはず。
「使いたいけど時間がない」などの理由でうまく活用できていない場合には、そのお悩みを理解しつつ、「時間がなくても活用できる方法」をお伝えするなど、お客様に寄り添ってあげることも大切です。
これこそリテンションマーケティングなのです!
もちろんUIや機能で改善が必要となった場合には、しかるべき部署に相談して改善をしていきましょう。
今回挙げた例以外でも、企画立案前の分析や企画の立て方は大きく変わらないと思います。
でも自分たちでは、いい企画ができなくて……とお悩みの方は、ルシダスにご相談ください。一緒に企画から考えていきましょう。
執筆者プロフィール
- 90年代バンドブームの頃に中学・高校生時代を旭川で過ごし、深夜音楽番組を見たり、『GB』『Rockin’ on Japan』といった雑誌をたくさん読んでいました。「バンド…[続きを読む]
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