営業から嫌われるスコアリング

営業から嫌われるスコアリング

Marketoの公式トレーニングの講師をしている石神です。

今回は、トレーニングの中でも質問の多いスコアリングの考え方について紹介します。

スコアについてはミニマムで始めましょう!と、触りだけは過去の記事でも「Marketo導入直後の注意点」として紹介しておりますので、スコアリングを今から始めるという方も一緒にご一読ください。

そもそもスコアリングとは?

見込み顧客を興味関心度や属性に応じて採点し、インサイドセールスや営業へ送客するための指標としているマーケターが多いと思います。

また、一口に「スコア」と言っても、肩書や所属部門、事業規模などに対して付与する「属性スコア」のように、そもそもの適性を判断したりするためのスコアリングがあります。この属性スコアというのはあまり変動をしないという特徴があります。

他方で興味関心度の高まりを測るために、ウェブページにアクセスメール内リンクのクリックフォームの入力などのアクションに対して加点をする「行動スコア」がありますが、それぞれ何点ずつ加点したらいいのかなど、どうやって決めるのでしょうか?

今回はそのような、いわゆる「行動スコア」の部分にフォーカスして紹介していきます。

間違ったスコアリングってどんなもの?

よく見る間違ったスコアリングのケースとして例えばスコアが100点になったら送客するというように一定の点数をゴールにする設計です。

そしてゴールを100点と設定したら、そこから逆算してそれぞれの行動に必要な加点を決めていきます。簡単な一例として以下のようなスコアリングだったとします。

ウェブページにアクセス +1点
メールのクリック +5点
e-Bookダウンロード +10点
セミナー受講 +20点
お問い合わせ +100点

セミナーの受講やe-Bookのダウンロードなどが数回なされれば100点となり営業送客条件を満たしますし、お問い合わせがあったらその時点ですぐに100点ないしはそれ以上となって営業送客されるのがわかります。

さて、この設計でスコアが100点のリストを営業が受け取ったとして、はたして意味のあるリストになっているのでしょうか?

そもそもこの100点、お問い合わせがあったら営業送客するのはまだ分かりますが、ウェブページを100ページ見ても、メールを20回クリックしても同じ100点になってしまいます。

さすがにウェブサイトで100ページ閲覧のみ!というパターンは現実的には考えていないとしても、いくつかの組み合わせで100点に達するというのはマーケターの肌感覚的には十分なエンゲージメントが得られてそうだから営業送客をしても良いという感じではないでしょうか?

ところが、営業側から見ると何を基準に見込み顧客が送客されたのか理由が不明瞭なだけではなく、実際にコンタクトをとると相手のレベルにかなりバラツキがあります。

それもそのはず、同じ100点でも行動背景がまったく異なるからです。

しかし営業側からはバラツキも含めて

リストの質が悪い!

という評価になってしまいます。

送客直前の行動を把握するためにSales Insightという機能を使ってSalesforceと連携している企業が多いのも事実ですが、品質のバラツキの改善にはつながらないので、結局はリストの質が悪いという印象自体は変わりません。

正しいスコアリング

では、どのようなスコアリングが正しいのでしょうか?
結論から言いますと、

このスコアリングの設定にしたら間違いない!というスコアリングは存在しません。

ビジネスモデルによって、イベントに参加してもらうことが一番の送客につながる施策かもしれませんし、e-Bookのダウンロードをしてもらうことが一番かもしれません。

また、料金ページを複数回閲覧することや、お問い合わせページを複数回閲覧しているも問い合わせしない見込み顧客は興味関心度が高いとも言えると思います。

ですが、このような行動をとった見込み顧客はスコアリングを使わずともその行動自体で興味関心度を判断でき、スマートリストで簡単に抽出することができます。

営業側へ送客する際にも「〇〇の行動をとった見込み顧客のリストです」と渡すことができるので、営業側も送客されてきた文脈を理解した上でその後のコミュニケーションが組み立てられるので、より適切な営業活動も可能になります。

では、スコアリングは何に役立つのか?

それは送客リストの件数が多すぎて営業が全件に対応できないという場合に、対応する優先順位の参考としてスコアを利用するのが良いと思います。他にも、製品数が多い時に、どの製品への興味が高いのかなどの参考として利用できる場合もあります。

最後に、Marketoは見込み顧客の興味関心度を測ることのできる機能がたくさんあり、スコアリングを設定しなくとも営業送客が(特に初めのうちは)十分にできる事があります。
ですから、「スコアリングをしないといけないんだ!」という強迫観念(!?)から無理矢理スコアリングに基づいた送客をし、営業側が余計に分かりづらくなってしまう事のないように注意しましょう!

そしていよいよ次のレベルに進んでスコアリングを本格的に機能させたい!と感じましたらぜひルシダスにご相談ください。
ビジネスモデルや御社特有の商流や事情などを把握させていただいた上で、最適なご提案をさせていただきます! 

執筆者プロフィール

石神嘉代郎
石神嘉代郎
2017年9月に入社し、今まで経験の無いIT企業、さらには日本でも最先端を走り続けていることもあり、覚えることだらけで大変ですが日々楽しく勤務してます…[続きを読む]

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