懸賞やクーポンのオファー、自分ではめったに使わないくせに、いつも興味深く観察しているマーケティングロックスターの池上です!
さて、今日はそんな割引クーポンのお話。
来店誘引、会員登録、顧客単価増やアップセルなどなど、クーポンというのは、幅広いマーケティング施策に活用しやすい鉄板オファーの 1つですが、実は奥が深い施策でもあります。
クーポン活用は人間の行動心理を考えて
そもそもクーポンを出す意義は、ざっくり言えば売上を増やすためのものです。
当然、売上を増やすことが目標である以上、クーポンによる値引きが利益を大きく圧迫しては、元も子もありません。
また、割引分の原資がマーケティング予算、とりわけイベントや広告予算から捻出される場合、マーケティング部門にとっても、提供できるオファーの上限がおのずと決まってきます。
ですから、極論すると、マーケティング効果は大きいが実際に使われることのないクーポン、というのが究極の理想であることは言うまでもありませんが、残念ながら、利用もされないが効果も少ないクーポンというのも巷には多く見受けられます。
デジタルマーケティングツールといったテクノロジーの導入などと違って、個別の施策は人間心理と密接に関係しています。
ですから、その内容を計画をするときにも、受け手にどう見えるか? どう感じられるか? を慎重に検討する必要があります。
数字の表現1つで印象がこんなにも変わる
例えば! 以下の2種類のクーポンがあったとします。
- 5% OFF!!
- 500円 OFF!!
あなたはどちらの方がうれしいですか?
「え、そもそも何に対する割引クーポンなの?」と思うかもしれません。
そして、それがまさに指摘したかったところです。
仮に、10,000円の商品に対するクーポンだったとしましょう。
5%も500円も、発行する側からしてみたら同じです。
しかし、買う側からしたらどうでしょうか?
心理的に、5%と言われると「消費税未満」という印象を受ける人が多いようです。
つまり、これは悪く言うと「割引後も支払い総額は商品価格以上」という意識ですから「あまり美味しくない」オファーということになってしまいます。
しかし、8%引きにしたら原資が減るし、これでも「トントン」です。
そして、10%引きにしたら5%の2倍なので、施策として出せるクーポンの本数が半分になってしまいます。
むやみに割引「率」を増やしても、マーケターとしてはあまり嬉しいことはないようです。
ところが、500円の割引ならどうでしょうか?
5%も、500円も、同じことのはずでしたよね?
にもかかわらず、人は「500円」と言われると、それが消費税以下かどうかなどはあまり考えません。
むしろ、500円あれば何が買えるかを考えます。
例えば、ちょっと高級なコンビニのアイスクリーム2つとか、具体的なモノです。
すると、オファーに「現実的な対価」が感じられるようになります。
よほど細かい人でもなければ、「500円が5%であって、消費税以下である」などという回りくどい発想はしませんよね。
だから、5%だったときは「あまり旨味がないな」と思っても、500円と言われた途端に具体的な嬉しさを連想するわけです。
ちなみに、文字数の問題で簡単な説明にとどめましたが、実際にはターゲット層が女性か男性か、就業しているかどうかなどで、このあたりの受け止め方も違ってくるので、いろいろな要素や可能性を念頭に置きながら、何がもっともウケるのかを考えるのが重要です。
「うちの業態の場合はどうなの?」とお考えの方は、ぜひ、ルシダスにご相談ください!
執筆者プロフィール
- 株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]
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