リストとスマートリストの使い分け、本当にできてますか?

リストとスマートリストの使い分け、本当にできてますか?

突然ですが、マーケティングクイズです。

Q.江戸時代の商人が、火事の時に最優先で守るものとはなんでしょうか?

……なんて、有名なお話なので「そんなの当然知ってるよ〜」という読者も多いかと思いますが、答えは『大福帳』、現代で言うところの「顧客リスト」です!

ということで、今回のテーマは「Marketoのリスト」について、クマガイがお届けします。

スタティック vs スマート? まずは名称のお話

Marketoのリストは2種類あり、1つは「スタティックリスト(Static List)」です。
このスタティックリスト、MarketoのUI上では「リスト(List)」としか表記されないのですが、もう一つのリストである「スマートリスト(Smart List)」との違いがより明確になるので、「スタティックリスト」と呼ぶことが多いです。

本来、「スタティック(静的)」の対になる言葉は「ダイナミック(動的)」のはずですが、Marketo上では「ダイナミック」ではなく「スマート」という言葉が用いられています。

なんとなくガラケーとスマートフォンのように、「スマート」の方が優秀そうな響きがありますが、スタティックリストとスマートリストに優劣は無く、その特性に応じて適切な使い分けが重要となります。

その前に、リードとデータベースを理解しよう

Marketoにはリードの情報を登録するデータベースがあります。

補足:Marketo UI上では表記ブレが多く、上記の「リード」が「Person」「People」「顧客」「名前」などの用語で表示されていることもありますが、弊社ルシダスでは「リード(見込客)」という用語をメインで使用しています

リードには「フィールド」と呼ばれる「情報(値)の格納先」があります。
例えば、「ラストネームフィールド」であれば、「姓」の情報(値)を入れるためのフィールドです。

その他に、「アクティビティログ」と呼ばれる様々な履歴も保存されていきます。
例えば、「〇〇のメールを開封済み」や「〇〇のページにアクセス済み」などのリード自身の行動履歴や、「〇〇のメールを送信済み」や「プログラムステータスを〇〇に変更済み」などのMarketo使用者側からの働きかけも、リード自身の情報としてアクティビティログに逐一記録されていきます。

スマートリストとは

そんなリードが持つ様々な個人情報や行動履歴をもとに、「フィルター」と呼ばれる抽出条件を組み合わせて、データベース内から該当するリードを抽出するタイプのリストです。
データベース内に存在するリードの数や、個々のリードが持つ情報(値)は変動するものなので、同条件のスマートリストでも抽出されるリードは常に一定ではありません。
例えば、「過去1時間以内に、〇〇のページにアクセス済み」というフィルターで抽出するスマートリストであれば、そのページに誰かがアクセスする度に、また、アクセスから1時間経過する度に該当リードが増えたり減ったりしていく「動的なリスト」であることがイメージしやすいかと思います。

スタティックリストとは

スマートリストのようにフィルター条件で該当リードを抽出するのではなく、csvファイルのインポートやプログラムの仕組みによって、具体的なリード名でメンバーを追加するタイプのリストです。
これは「静的なリスト」なので、メンバーは、意図的に追加、または削除しない限りはそのまま保持されます。

結局、スマートリストとスタティックリストの違いって?

スマートリストはフィルターを組み合わせてリードを抽出しますが、スタティックリストはフィルター自体がなく具体的なリード名の一覧です。

スタティックリストへはcsvファイルなどのインポートを行えますが、スマートリストに対してインポート作業はできません

動的 or 静的 フィルター 外部リストインポート
スマートリスト 動的 あり できない
スタティックリスト 静的 なし できる

Marketo初心者が勘違いしがちなのが、「リスト」に記載されているデータと「データベース」に保存されているデータが別々に管理されている、と誤解するケースです。例えば、スタティックリストに外部csvファイルからリードのインポートを行った時点で、スタティックリストだけではなくデータベースにもリードデータが登録されますので、その後、リストからリードを削除したとしても、データベースには引き続き存在します。
リストとデータベースは繋がっていますので気をつけましょう。

スマートリストにもスタティックリストにも共通している点は、そのリストを削除しても、データベース内に一度登録されたリードデータが削除されるわけではないことです。

スマートリストとスタティックリストの使い分け方

技術的な仕様がわかったところで、今度はその使い分けを考える必要がありますが、これは施策の設計次第で色々なパターンがありますので、想像力を膨らませてください! …なんて言っては身も蓋もないので、わかりやすい例を1つだけご紹介します。

例えば、リアルなイベントの会場で、営業さんが来場者と名刺交換をしたとします。後日、その名刺情報をExcelに打ち込んだものをMarketoのスタティックリストにインポートをすれば、イベント来場者のリストができます。さらにこの来場者リストのうち、条件抽出で住所の「都道府県」が「北海道である」人だけをスマートリストで抽出したリストを作れば、該当者だけに北海道で開催される商談会のご案内メールを送る、なんていうことに使えます。

データベースとリストの理解がMA成功の秘訣

Marketoから実施できる施策の対象者は「データベース内にいるリード」であることが大前提です。
データベースにいるリードをどのように抽出し、データを活用するかをしっかりと考えてみてください。
なお、csvファイルでのインポートなどでデータベースに追加されたリードは都道府県などのデモグラフィックデータを使って抽出することはできますが、「ウェブページへのアクセス」のような行動データでの抽出はまだできません。
ウェブページ上での行動データで抽出できるようにするためには、「タグ付け」と呼ばれるアクションが必要なのですが、今回はここまで。
「タグ付け」の方法についてはこちらにヒントがありますのでぜひご覧ください。

執筆者プロフィール

熊谷直樹
熊谷直樹
高校から始めた男子新体操をきっかけに、ブレイクダンスなど身体を使ったパフォーマンスにどっぷりとハマる。
そのままフィットネス業界に入り10年弱、インストラクターや店舗の運営・管理、新店舗…[続きを読む]

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