色と呼ぶけど色ではない色

色と呼ぶけど色ではない色

裏庭の斜面に生えていたニセアカシアの小木を切ったら、上のほうで枝絡みがあり自分の逃げた方に木が倒れてきて、鋭く長いトゲが頭に刺さったホンダです……生きててよかった(この木、花はキレイで匂いもいいけど毒があるので要注意)。

さて唐突ですが、文房具屋で折り紙を買うと必ず入っている、金銀の折り紙

なんとなく他の色よりもエラそうに見えることもあってか、先に使うのもためらわれ、そのまま使う踏ん切りもつかないまま最後まで残るというのが、よくあるパターンではないでしょうか。

で、ここでふと疑問が……折り紙のパッケージにも書かれている「金色・銀色」は色の名前としてアリなのか?
そもそもそういう色って存在するの?

今回はひさかたぶりに実用性を脇に置き、そこだけを深掘りしたエントリにて候。

ここらで色の再定義

色って何? という話についてはすでに別エントリで色の三属性を扱っていますので、今はちょっと別の角度からいきましょう。

まず物はなぜ見えるのかというと、照らす光があって、それに反射する光があるからで、色の違いはなぜあるのかというと、物によって反射する光の色が違うからと考えられ、この「反射する光の色」が色の正体といえます。

ちなみに、鏡のように照らす光を全部反射している状態は「白」と、反射せず全部吸収された状態は「黒」と定義され、他の色はすべて白から黒にかけてのどこかに位置づけられます。

また、青い空の青やオレンジの橙など、実在する物の色というのは単一の色だけでできてはおらず、私たちはそれをひっくるめて便宜的に「空色」や「オレンジ色」と呼んでいるに過ぎません。

白と黒の間の色モデル

 

きんいろぎんいろしゃくどういろ

じゃあさっきの金紙や銀紙の色、さらには赤銅色といった他の金属の色なんかも「空色」や「オレンジ色」と同じように考えていいのか? という疑問がここで湧き起こりますが、この時鍵になるのは、さっきも出てきた「反射」という言葉。

実は色として見える光は乱反射によるもので、青空の青は水滴やホコリが、オレンジ色も果皮の表面が乱反射を起こした色なのです。

乱反射が少なく、反対に鏡面反射が多くなってくると、それはだんだん色ではなく光沢に近い見え方になってきます。

色と光沢が、メタリックカラーに欠かせない2大要素!

 

もうお気づきの方がおられるかもしれません。

磨かれた金属の表面は滑らかで、乱反射せず鏡のように光を反射しますが、こうした金属の持つ光沢そのものは色のグラデーションとしてしか表現できないので、結果的にあの金属独特の艶めいた色感は「色と光沢」が両方あって初めて感じられるということなのです。

じゃあ最初の話は?

では、ここで最初の疑問に戻ってみましょう。

  • 金色や銀色は色の名前としてアリか? → ナシだけど慣用的にはやむを得ない
  • そもそもそういう色は存在するのか? → ナシ

という、いきなり身もフタもない結論に相成りました。

ちなみに、銀色は目に見える光をすべて反射するので、白や灰色といった色味のない状態になりますが、金色や赤銅色は一部反射されないところがあり、そのため特定の色がついて見えます。

さて、この内容の実用性……これがどうマーケのためのデザインに活かせるのかが、本エントリに課された一番の難題ですが、これは覚えておきましょうというリストを苦しまぎれに作ってみたので、最後にどうぞ。

  • Officeアプリケーションなどで図形を作る際は、色だけでなくグラデーションをきちんと指定しなければ、リアルな金属の表現にはならない
  • 特に銀色だけを表現する場合、グラデーションを使っても灰色の絵柄にしか見えない場合がある(メダルの色のように金や銅とセットで使う場合は別)。
  • グラデーションを使わないフラットデザインだと、色だけでなく形で分かってもらう必要があるため、金属の表現は結構大変になる。

いずれにしても滅多にないケースであることは間違いない(笑)ですが、たとえば景品や賞品の表現で、メダルになぞらえた金銀銅の三色をセットで使う機会はたまにあるので、ゼヒその時のために!

Wordで文書を作るときのデザインはこちらもぜひご活用ください。

執筆者プロフィール

本田 一彦
本田 一彦
学校では音楽関係の勉強をしてきたにもかかわらず、写植オペレーター兼版下フィニッシャーとして、約30年前にそのキャリアをスタート。工場にゴロゴロいた、もと活版…[続きを読む]

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