マーケの現場で、クライアントの目標達成のために立てる対策や方法に、Webサイト(ホームページ)を含めて考えるのは、もはや当たり前というのが今どきの認識だと思います。
そんな中、例えばお問い合わせや売上増を目指してWebサイトをリニューアルする際にクライアントとタッグを組むのが、いわゆるWebデザイナー。
「実際は何してる人?」「かっこいい横文字職業?(んなわけないw)」などなど、ポピュラーだけどいまいち正体不明な彼らと、マーケの現場でお互いに気持ちよく仕事を進めるための心得についてまとめてみました。
デザイナーを「遣う」ということ
タイトルの表記が気になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はタイトルの最後を「遣い方」という表記にしています。
言葉のイメージとしては人形遣いや猛獣遣いといった感じですかね(笑)。
「ある目的のため、持っている技術を道具として上手に用いることのできる人」
言い換えれば
「売上向上のため、Webデザイナーを道具として上手に用いることのできる人」
ということになるでしょうか。
実際にデザイナーの立場として言わせていただくなら、せっかく頂いたご縁である以上、上手にデザイナーを遣ってほしいし、そうやって気分良くお仕事をさせてくださるクライアントさんだと、よりモチベーションも上がり作業もはかどるというものです。
では、そんな「良いデザイナー遣い」の条件とはいったい何なのでしょうか。
まずは反面教師的な内容を以下にまとめてみました。
こんな担当者は困る!
- 「お任せします」と言われて出したデザイン案に「イメージとちょっと違うなぁ」というお言葉……
→依頼する際デザイナーに最低限伝えるべきこととして、サイトで表現・主張したいことや見てほしいポイントは忘れずに。 - あれこれ全部「大きく・目立たせて」と言われ、その結果「どれも目立たないんだよなぁ」
→目立たせること1つとっても、大きくする以外のさまざまな方法があります。
担当がデザインの修正内容にまで具体的に口を挟みはじめると、「時間かかる・お金かかる・ロクなものが上がってこない」で、散々な結果にしかなりません(口は挟んでいいんだけど、それなら直しの指示よりも、その意図や理由を伝えてくれた方が、ずっとスマートかと)。 - 「なる早で」と言われ打ち合わせもソコソコに作った案に、直しが入って返ってきたのは半月後。
→デザイナーも人の子。急がせれば仕事にアラは出ますし、打ち合わせを疎かにすれば、提出物の内容が的外れになる確率も高まります。
オマケに戻りが半月後とあれば、それだけでもうブチ切れること請け合い。 - 提出したデザインの特定の部分だけ極端に多く直しが入っていて、指示通り直すと全体の見映えが調和せず。 →デザイナーは全体の調和を念頭におきつつ、部分部分の要素をどうデザインするか頭を悩ませるもの。
知っているところだけをつまみ食いするような修正指示は、百害あって一利なし。
と、いくつか挙げましたが、ここまでをざっくりまとめて、なおかつその正反対の要素も書き加えてしまうとこんな具合になります。
- ルーズなスケジュール管理 → 行き届いたスケジュール管理
- 自分がわかる部分だけで全体を判断 → わからないところや細部は専門家に委ねる
- 主体的判断のない単なる使い走り → クライアント側の窓口として、責任を持って内部意見を取りまとめる
- 準備を重視しない場当たり的な進行 → 初めにきちんと要件を伝え、手戻りのない進行
いかがでしょうか?
これは現役デザイナーの端くれとして保証しますが、「もし担当者が正反対の要素いっぱいだったら、仕事はもっともっとサクサク進むのに……」と、デザイナー100人いれば100人全員そう思うに決まってます(これはもう断言)!
餅のことは餅屋に任せる
「餅は餅屋」嗚呼、なんと素敵な言葉!
餅のことを一番よく知るのは餅屋。
Webのことを一番よく知るのはWebデザイナー。
お客様は自社の製品サービスのプロ、WebデザイナーはWebデザインのプロ。
ならば、伝えるべきは「文字を大きく、色をもっと濃く」であるより、その直しの意図ではないかと思うのです。
「重要な項目だけど目立ち度が足りない」とか「どうしてその大きさや色が気に入らなかったのか」を教えてもらえれば、どう直すかを考える上でかなり助かりますし、そこまで説明できなくても「深い意味はないけど、なんとなく好みの問題として」でもいいので、NGの理由がわかればより良い提案だってできますしね。
目的や大枠、機能面の要望は伝えても、細部はデザイナーを信じて任せる。
そうすることで信頼関係ができ、デザイナー自身にも責任感が生まれて、それがおのずと成果物に反映されるもの。
Webに限らず良いデザインをお望みなら、上手にデザイナーをその気にさせるのが、最短コースですよ。
執筆者プロフィール
- 学校では音楽関係の勉強をしてきたにもかかわらず、写植オペレーター兼版下フィニッシャーとして、約30年前にそのキャリアをスタート。工場にゴロゴロいた、もと活版…[続きを読む]
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