「インサイト」ちゃんと汲み取れていますか?

先輩から「ニーズはわかるけどその顧客のインサイトは何?」と言われて、頭の中が「?」となっていた石川です。(汗)

マーケターなら誰しも一度ぐらいはこれに似たようなことを言われた経験があるのではないでしょうか? マーケティング用語としてよく聞く言葉ですが、実はいまいちイメージが掴めていない方もいるかと思います。

今回はかつての私と同じ悩みにぶつかったあなたに、「インサイト」について解説しつつ、Adobe Marketo Engage(以下、Marketo)でインサイトを探る方法について紹介します。

そもそもインサイトって何?

日本語に直訳すると「深い理解」や「洞察」を意味しますが、マーケティングにおいては、ざっくり言うと「顧客の行動や意思決定の裏側にある深層心理」のことを指します。簡単に言うと「顧客の本音」です。
その本質は、顧客自身が意識していない、潜在的な欲求や動機を見つけることにあります。

「ニーズと同じ意味なんじゃない?」と思われがちですが、似ているようで実は違いますし、ニーズにも潜在的なニーズと顕在化したニーズの2種類があります。

潜在的なニーズ

顧客の中に存在するものの、自覚していない欲求。「今日は暑くて疲れた〜!」という自覚はあれど「ビールでも飲んで喉も潤おそう!」までは意識していない状態。

顕在化したニーズ

顧客が自覚している欲求で、自ら探しているもの。「今日は暑くて疲れたから、友達と一緒にビールを飲んで気晴らしもしよう!」といった具体的な欲求。

そしてインサイトとは、これらのニーズが生まれた理由や背景の部分にあります
例えば、「暑い」から「ビールが飲みたい」までは短絡的にイメージできるかもしれませんが、「ビールを1人で飲む」のではなく、「ビールをみんなで飲む」というさらに一歩踏み込んだ「あえてビールを飲む理由」はインサイトと言えるでしょう。

こういったインサイトを探ることで、本質的に顧客が求めているものを提供できるようになります。

インサイトを把握することの重要性

もちろん、潜在的なニーズや顕在化したニーズを把握することは、マーケティングにおいて重要なことです。しかしニーズだけに頼ってしまうと「顧客の本当の欲求を見逃してしまうリスク」があります。

例えば、先ほどの「暑いからビールが飲みたい」例で考えてみましょう。
ここでインサイトを無視してしまうと、本当のニーズと、製品の提供価値を見誤る可能性があります。

データだけを見たら「暑いからビール」という部分だけが見えてくるかもしれません。ですが暑いだけならビールじゃなくても他の清涼飲料水でもいいし、何なら他のメーカーのビールでもいいかもしれないのです。

そこで
「ビールを飲んでリフレッシュしたい、疲れをとりたい。1日の終わりにリラックスしたい!」
という「本質的な心理状況である欲求=インサイト」にまで気付ければ、そこを含めたコミュニケーションをとり、自社のビールを積極的に顕在化したニーズへと昇華させられる可能性が高まります。

つまり、「暑いからビール」ではなく「暑くて疲れたから、喉も潤して気分もスッキリ、明日への活力のためにも今日はリラックスできるビール!」という価値提供が生み出せるかもしれないわけです。

裏を返せば、インサイトを無視すると、顧客が本当に求めているものを提供できず、結果的に自社のサービスを無視されてしまう可能性があるということ。そればかりか、競合他社に顧客を奪われるリスクが増え、結局予算や人件費をかけても成果が出ない……とドミノ倒し的に悪循環に陥ってしまう恐れもあるのです。

Marketoでインサイトを探る方法

インサイトを探る上での最大のヒントは、実際に顧客がどういう行動をとっているのか、なぜその行動をとったのか、この事実を深堀りして考えることにあります。

Marketoには、「顧客がいつ、どのようなアクティビティをとっているのか」がアクティビティログに蓄積されています。このデータを元に後はマーケターが想像力や経験を生かして「どうして?」を考えればいいのです。アクティビティログはそんなインサイトを探る宝庫だと言えます。

実際のMarketoを活用した施策に例えてみます。
スマホで朝の8〜9時ごろにコラムコンテンツを回遊することが多い顧客の場合、もしかしたらその顧客は「通勤時間を有効活用したいと思っている」可能性があります。これこそがインサイトです。
このような顧客には「ながら聞き」ができるオンデマンドウェビナーやポッドキャストなど、短時間でのレクチャーの機会なども案内してあげれば、より顧客の求めている接触の機会を増やせるでしょう。

メールの開封率やクリック率を見てPDCAを回すことも重要ですが、それ「だけ」だと場当たり的になりがちです。結局顧客が本当に求めているものを無視して、会社が伝えたいことを一方的に配信するなんてこともあります。

そうならないためにもインサイトを探り、より1人ひとりに適したマーケティングを実現していきましょう。
そうは言われても発想の転換は難しいし答えがわからない、という方は、ルシダスに相談するのも一つの手ですよ!

執筆者プロフィール

石川裕之
石川裕之
茨城県生まれの北海道育ち、気持ちは完全に道産子であります。思春期の多くを旭川市で過ごしてきました。私の代で廃校になってしまう高校に通い、…[続きを読む]

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