選択肢が多いほど……よくない!?

選択肢が多いほど……よくない!?

 

居酒屋に行くと美味しそうなメニューの選択肢の多さについつい、頼みすぎ、食べ過ぎになりがちなマーケテイングロックスターの池上です!

そんな選択肢、何ごとにおいても少ないよりは多い方がいい——と思われがちですが、マーケティングの文脈に限って言えば、選択肢はあまりない方がいいんです。

マーケティングメールに絞ってみると、例えば、

直近2週間の間に開催される予定の複数のイベントのご案内が1通のメールで届いたり

あるいは

製品についての紹介、技術仕様、導入事例、無料トライアルなどが1通のメールにまとめられている

なんていうのは、よくよく見かけるものです。

送っている方としては

興味のありそうな題材を複数入れておけば、どれかに興味を持ってくれるだろう

という希望的観測があるのでしょうが、実際は下手な鉄砲、数打っても弾代ばっかり嵩んでさっぱり当たらないんです。

そんな選択肢の問題ですが、具体的には2つあります。

問題その1
そもそもターゲティングができていれば、そんなに選択肢はいらない!

イベントが好きでたまらない人、なんてそうそういないわけで、立場や興味関心のある分野に関するターゲティングができていれば、直近の全てのイベントの案内をする必要はなく、ピンポイント興味のあるものだけご紹介した方が刺さりやすい。

また、製品案内なら、受け取り手の温度感(Cold/Warm/Hot)に応じて、製品のご案内をすべきなのか、あるいは無料トライアルをお勧めするべきか、決められるはずです。

問題その2
選択肢が多いと、人は判断に迷う。

そして、迷ったり面倒だと、よほど重要な事でもない限り「放置」する。

だからって、選択肢の全てが悪いわけじゃないんです。
無駄に選択肢が多かったり、上手に活用してないのが問題です。

ちょっと、実験してみましょう。
なるべく、即答してください。

  1. 好きな色は何色ですか?
  2. 好きな音楽のジャンルは何ですか?
  3. 好きな食べ物は何ですか?

どうでしょうか、即答できましたか?
それとも、「うーん、色って言われても車の色なのか靴の色なのかで違うしな〜」とかってちょっと考え込みましたか?

じゃぁ、質問のしかたを少し変えますので、また即答してみてください。

  1. 赤と青、どちらが好きですか?
  2. 洋楽と邦楽、どちらが好きですか?
  3. お肉とお魚、どちらが食べたいですか?

こちらの方が、即答しやすかったんじゃないでしょうか?
選択肢を絞りに絞ったからです。
そして、これにはもう一つ、マーケターにとって大事な視点があります。
それは、「選択肢」を決めているのはマーケターだという事です。

  • 赤と青であって、黄色と紫ではない。
  • 洋楽と邦楽であって、ジャズとポップスじゃない。
  • 肉と魚であって、中華とフレンチじゃない。

あえて、こちらの都合に誘導しつつも、選択肢を与えています。

デートすることになった時に、

今夜、何が食べたいですか?

って聞くと、相手も困っちゃう上に、もし「回らないお寿司!」なんて即答されると、こちらも困っちゃう!でも、

お肉が美味しいスペインバルと、お刺身が美味しい居酒屋と、どっちがいいですか?

って聞けば、どちらのお店も事前リサーチできていて、雰囲気が良く、予算感も想定内なお店でありながらも、選ぶ権利は相手に与えてます。

どちらがスマートで、良い結果になるかは明白だと思います。

マーケターとして、選択肢を複数用意した時点で、「あ、これ、まだまだ煮詰めないといけないやつだ!」と思うようにしましょう!

執筆者プロフィール

池上ジョナサン
池上ジョナサン
株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]

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