ここ一番の隠し玉! Wordでできる本格印刷

ここ一番の隠し玉! Wordでできる本格印刷

皆さんがWordで日頃作るものの多くは社内文書だと思いますが、一所懸命キレイに作ったものが例えばチラシやハガキなど、対外的に使われるものだったら、実際に手に取る完成品もやっぱり見栄え良く仕上がってほしいですよね。

実際に同じ文書をオフィスにあるプリンタで印刷したものと、印刷業者にお願いしてでき上がったもの(実際にそういう呼びかたはありませんが、今回はこれを便宜的に「本格印刷」と呼ぶことにします)とでは、色あいや紙の手触りや厚さなど、格段の違いがあります。
マーケティング目線で見ても、きちんと本格印刷をしたものは、今さっきオフィスのプリンタで出したものに比べ、受け取った時の重みが違いますし、より良い反応が得られそうですよね。

コストの面で何にでも、というわけにはいきませんが、ここ一番の隠し玉として威力十分の本格印刷。
どうすればWordでできるのでしょうか?

こんな時に本格印刷を検討してみては?

紙に印刷する手前までの作業をWordで行い、そこから先は印刷業者にデータを渡して印刷をお願いするというのが、本格印刷の一般的な流れです。

いわば普段の環境では対応できない印刷の部分を業者に肩代わりしてもらうといった図式ですが、具体的にはこんな時に検討してみる価値があるでしょう。

  • 部数がかなり多い(サイズによるが、だいたい1,000部以上の場合は要検討)場合
  • 紙質や厚さ、大きさなどオフィスのプリンタでは印刷できない紙の場合
  • DMや商品カタログなど、印刷そのものの仕上がりが特に重視される場合
  • 印刷の後加工(穴あけ、角丸、ナンバリング、ミシン目、折り加工など)が必要な場合

ネットでの業者探しは「印刷Wordデータ」「印刷通販 Word」などのキーワードで検索すると、大小さまざまな業者がヒットします(通販を使う場合は送料の関係から、所在地から近くの業者のほうがいいかもしれません)。

Wordで印刷用データを作るには

どの業者にお願いする場合でもそうなのですが、まずその業者が社内で処理できる印刷データを作って渡すことが最も重要なことです。
受けられるデータの仕様は業者によって少しずつ違っており、「Wordデータの印刷に対応しています」と謳う業者でも、その中身によっては対応できないデータもあるため、データを作る前に、どんなデータを渡せばいいかについて、きちんと打ち合わせることが大事です。また、先にデータができてしまっている場合は、それを処理できる業者を(サンプルを渡すなどして先に確認してもらう)選ぶ必要があります。

とはいえ、Wordは本来印刷用データを作るためのソフトではないため、これで印刷用のデータを作ろうとすると、どうしても色々な制限がついてしまう傾向があります。

特に色や写真、そしてフォントについての制限は守らないと、オリジナルから離れた仕上がりになってしまったり、印刷そのものができなくなったりしますので、守るべき点についてはしっかり印刷業者と打ち合わせましょう。

業者によりますが、一般的には普段作っているWordデータのこんな点がNGになることが多いようです。

  • 印刷会社の環境にないフォントを使っている
  • ワードアートやパターン、半透明、塗りつぶし効果を使っている
  • Mac版のOfficeで作っている(Macには対応していないことが多い)
  • 貼り込まれている画像の解像度が足りない

ただし、先にできてしまっているデータの場合はWordからpdfデータを作って入稿するなど、トラブルを回避する方法もありますので、勝手にダメだと決め込まず、まずは相談してみることが大事です。

ポイントは余裕あるスケジューリング

ここまで読んで、あまりの制限の多さにイヤになった方もいると思いますが、要は最初に書いた通り、すべては「業者が社内で処理できる印刷データを作る」ために必要なことなのです。

全部は覚えられなくても、最低限この二つのルールを守って進めれば、どうしても印刷会社に頼まざるを得ない時でも、行き違いや時間のロスを最小限に減らすことができます。

  • 印刷会社に渡した後で起こるトラブルを未然に防ぐため、作る前にデータの作り方についてよく打ち合わせる。
  • 最終的な印刷仕上がり予想図(「最終校」などと呼ばれます)を必ず出してもらい、違いがないかを念入りにチェックする。

打ち合わせるにしてもチェックするにしても、必要なのは時間的な余裕です。不測の事態に備えて、スケジューリングは常に余裕を見込んでおくようにしましょう。

色々面倒な約束ごとや時間、コストのかかる本格印刷ではありますが、ひとたび出来上がりを手にした時、その苦労は必ず報われるはずです。
良い見栄えの仕上げは、良い印刷で。(業者の回し者ではありませんが)

執筆者プロフィール

本田 一彦
本田 一彦
学校では音楽関係の勉強をしてきたにもかかわらず、写植オペレーター兼版下フィニッシャーとして、約30年前にそのキャリアをスタート。工場にゴロゴロいた、もと活版…[続きを読む]

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