懸賞キャンペーンで意識したい景表法のポイントって?

懸賞キャンペーンで意識したい景表法のポイントって?

昨年末にルシダスで企画した「MA利用状況アンケート調査」に向けて、懸賞オファーメールを準備していたときのこと。
代表の池上から「オファー内容が景表法に引っかからないことだけ、気をつけてね」と念押しされました。

たとえばスポーツウェア1枚にも、「当社独自開発の素材、優れた速乾性」など、いろいろな謡い文句が表示されています。
消費者はその情報を信用して商品を購入するわけですが、実際に使ってみてその通りではなかったと不満を覚えるケースは、世の中にはゴマンとあります。

こうした不当な表示や過大な景品の提供を規制し、消費者の権利を守る法律が、景表法(景品表示法)です。

マーケティング活動、特に懸賞を実施するときに押さえておきたい景表法のポイントって、どんなことでしょうか。

応募条件の違いによる懸賞の種類

懸賞は大きく分けると「オープン懸賞」「クローズド懸賞」の2種類があります。

オープン懸賞では、主催者がテレビやインターネットなどで広く告知し、商品やサービスの購入や来店を条件とせず、はがき、ウェブサイトやメールなどで申し込み、抽選で金品等が提供されるもの。
景品規制は適用されません。

対してクローズド懸賞では、主催者の商品やサービスの購入が応募の条件となるため、景品規制が適用されます

あなたが企画した懸賞は、景品規制の適用対象か対象外、どちらでしょうか?

景品にも限度額があった!

クローズド懸賞ではオープン懸賞と違って、景品額にも上限があります

だから単純に、「金額が高いものほどたくさん応募してくれるだろう!」と思って高額の景品を用意する、というわけにもいかないんです。

懸賞による取引価格 景品類限度額
最高額 総額
¥5000未満 取引価額の20倍 懸賞に係る売上予定総額の20%
¥5000以上 10万円

ちなみに、複数の事業者が参加して行う懸賞(例:商店街の福引)は、「共同懸賞」として、以下のような限度額が課せられています。

景品類限度額
最高額 総額
取引価額にかかわらず30万円 懸賞に掛かる売上予定総額の3%

補足ですが、クローズド懸賞の上限額は実勢価格を基準にするべき、というのが、弊社がお世話になっている弁護士の見解です。

例えば、あるとても魅力的な景品が、通常販売価格で売られている状態では景表法の上限額を超えるけど、何かの決算セールでめちゃくちゃ安くなっていたからと買った場合。
実際の購入価格が景表法の限度を下回っていたとしても、弁護士見解に照らし合わせると、これはNGということになります。

見返りはNG!

ルシダスで行ったMA利用状況アンケート調査は、利用しているMAの使い勝手について純粋に評価を求める内容でしたので、特に回答内容に応じた見返りは伴わないものでした。
調査結果を元にダウンロードコンテンツを作成はしましたが、あくまでその後の無償提供を目的としたものです。

以前、一部の通販サイトでは、レビューを寄せた購入者にQUOカード贈呈などの特典を実施しているものがありました。
ただ、そのために業者を実態以上に褒める内容のレビューが増えてしまい、「レビューを参考にして買ったら期待外れだった」など、一種の優良誤認のような状況が発生し、情報としての信頼性の低下を招いてしまいました。

対応例として、楽天では現在、レビュー投稿者への特典贈呈は原則禁止しており、「レビューを書いたら次回から送料無料」「次回から値引き」「次回からキャッシュバック」などは例外としてOKのようです。

基本的に見返りを前提とする懸賞は「規制の範囲内なら何をしてもOK」と安易に片付けず、内容をよくよく吟味して進めましょう。

プレゼントは必ず送ろう

景品を実際に贈呈していなかったという意図的なルール違反がある一方、違反をするつもりはなかったのに発送を忘れていた……という事例もあるようです。
いろいろな方面で監視の目が光っていますから、抜かりないよう、役割分担はしっかり確認しておきたいものです。

特に主催者の代行で運営を担う場合は要チェックです。

専門家の意見を参考にする

実際、懸賞を準備していると、「ネットで募集して来店を条件に景品を渡すケースでは?」「景品が非売品の場合の限度額は?」など、さまざまな疑問が持ち上がってくると思います。

自分で確認しても不安が拭えないのなら、ここはいっそ餅は餅屋、法律の専門家に相談することをおススメします。(←え、結局それ?)
ルシダスでも昨年は、懸賞の内容がコンプライアンスに合致しているかどうか、顧問弁護士と相談しながら進めておりました。
お客様の施策を実施する場合は最終的な判断はお客様の法務に委ねられますが、ルシダスでも実はこうやってチェックをしているんです。

とにかく何事も闇雲にトライするのは危険。
実に月並みな言い草ですが、石橋は叩いて渡れ、ですね。

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