え、私に話してるの?

え?私に話してるの?

たった今、私の書いたブログ記事を読んでくださっている皆様。

はて、「皆様」と書いてはみたものの……実際に読んでくださっているのは、皆様ではなくてーーそう、そこにいらっしゃる「あなた」ですよね。

……このように、同じ二人称でも、どう呼びかけるかによって、読み手が受ける印象が微妙に違ってくるような気がしませんか?
「え? 私に話してるの?」と、書き手をより身近に感じてくれるのではないでしょうか。

この「誰に向かって話していますか?」こそ、非常に単純ながら見落とされがちなポイントであり、テキストコンテンツのみならず、あらゆるマーケティングコンテンツで大事にしたい押さえどころなのです。

ブログはスピーチではない

(例としてかなり無理があるかもしれませんが)中島みゆきの『糸』という名曲の有名なフレーズから。
「縦の糸は皆様、横の糸は私♫」と歌われたら、おそらく聴き手は「は?」となるのでは?
それまでせっかくジーンと聴き入っていたのに、突如として沸き起こる違和感。

歌の聴き手はそれぞれ、そこに込められたメッセージを、自分の体験や身近な誰かとの関係性に重ね合わせることが多いと思います。「縦の糸はあなた、横の糸は私」という一対一の関係だからこそ、歌詞が個人的なメッセージとして心に響くわけです。

ブログも基本的には同じことで、チャネルの形態としては一対複数であっても、たった1人の読み手との関係性にフォーカスして書くことが、自然と全体のトーンに影響します。

自分の書きたいことを、できるだけ多くの人に読んでもらう。それもブログの立派な存在理由です。
が、それだけだと、せっかく伝えようとしているメッセージが一方通行なスピーチ原稿になってしまう、という落とし穴に陥りかねません。

二人称を置き換えよう

確かに、「皆様」は、業界や業種、役職を問わず、あらゆる層の人々を想定した、便利な言葉ではあります。
公式ウェブサイトのコンテンツであれば「皆様」で全く問題ないのですが(実際、自分もブログの中でなんとなく「皆様」と安易に使っていること多いのですが)……。

ブログというより親和性の高いチャネルの特性を活かすならばーーやっぱり「あなた」なんです。

というわけで、それまでブログやメールでなんとなく使っていた複数形の「皆様」から、単数系の「あなた」へと、呼びかけを切り替えてみましょう。

そうそう、そこにいらっしゃるあなたに向けてお伝えしているメッセージですよ、という書き手の思いが伝わり、最後まで読んでもらえる可能性が高まります。

押し売りはしない!

1つ注意点として、距離がより近まる分、あまり「あなた、あなた」と連呼しすぎるのは、押し付けがましい印象を与えてしまう恐れがあります。ここで呼びかけたい! と思ったその箇所にのみ「あなた」を挿入しましょう。

「この人は、何を求めて自社のブログを訪ねてくれたのか?」
「どんなコンテンツを提供すれば、この人の役に立てるのか?」

自分が何を伝えたいか以上に、読んでくれるたった一人の相手が、何を求めてその記事にアクセスしてくれたのかを知りたいと思う。それがブログ、そしてコンテンツ全般を提供する側が常に心に留めておくべき原点なんじゃないかな、と思います。

執筆者に質問しちゃう!

「もうちょっと突っ込んだこと知りたい……。」とお思いのあなた!このブログの執筆者に、直接質問をしちゃいましょう!

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