メールや文書でたまに目に付く間違いの1つに、他社や自社を指す言葉の混乱があります。
「御社」「貴社」「弊社」「当社」。
それぞれちゃんと違いがあって、使い分けがあります。
すでにビジネスマナーとしてご存じの方も多いと思いますが、メールやブログなどでも頻出する言葉なので、今回は、「誰に向けて発信するか」というテーマも含めて、あえて引っ張り出してみました。
他社を指す「貴社」「御社」:書き言葉と話し言葉に違いがある
「貴社」は、書類など、文章に表す時に使います。
書類、メールやブログなどのコンテンツでも「貴社」を使う方が良いでしょう。
そして「御社」は、文書ではなく、話し言葉で使います。
「キシャ」という発音を持つ言葉が複数存在するため(例:帰社、記者、汽車、喜捨)、混同を避ける目的で、こんなビジネスルールに落ち着いているようです。
自社を指す「弊社」「当社」「小社」:謙譲の度合いが変わる
自社を指す言葉には、「弊社」「当社」「小社」の3つがあります。
これらについては、書き言葉・話し言葉での使い分けはありません。違いは、謙譲の度合いです。
「小社」も明確な謙譲表現ですが、自社よりも規模の大きな会社に対して使われるという点でやや独特です。使用する対象を間違えて混乱を与える恐れがあります。
そんなわけで、書き言葉でも話し言葉でも「弊社」を使うのが最も無難でしょう。
一方、「当社」は「わが社」という意味での丁寧な言い方ですが、謙譲表現ではありません。
対外的に使ったからといってそれほど問題にはならないと思いますが、シンプルに行きたいなら、あえて外部向けの文書やコンテンツでは使用しない、というルールを適用しても良いかと思います。
誰に呼びかける?
コンテンツでは「誰に向けてそのメッセージを発信しているのか?」が非常に重要です。
「貴社」と呼び掛けた場合、対象は個人より、むしろ様々な組織に向けたものとなります。
どの企業にも、またそこに属する誰にでも適用されるので、無難ではありますが、親密さに欠けます。
自社サイトの常設ぺージには良いでしょうが、よりパーソナルな関係性を重んじるブログには不向きです(個人よりも組織にフォーカスしたい場合は別ですが)。
これが「皆様」「皆さま」「皆さん」だと、不特定多数の個人を指すので、より距離感が縮まります。
もっとも無難な2人称といえます。
「あなた」という呼びかけは、さらに対象が一個人に絞られます。
ただ、あまり「あなた・あなた」と連呼し過ぎると、押し付けがましい印象をもたれる場合もあるので、繰り返しに気をつましょう。
日本語の様々なルールや違いは、面倒といえば面倒ですが、私たちはそれだけ豊かな言語文化で育っているのだといえます。
ライティング作業を通じて、そんな色とりどりの日本語の力を最大限に活用しつつ、コンテンツの魅力と品質を高めていきましょう!
ブログや文書を書く際に気をつけたい基礎的な注意点をこちらにまとめています。ぜひご利用ください。
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