撮影モードで失敗を防ぐ!絞りとボケのコントロール

撮影モードで失敗を防ぐ!絞りとボケのコントロール

レンズの「絞り」は写真の明るさや表現を変えるための要素の1つです。
でも、もう1つ重要なことが。

それは「ボケ」という、写真ならではの表現をコントロールすること。
コンテンツ用の画像撮影にもいろいろと応用が利くので、知っておくと便利ですよ。

では、失敗しにくい撮影モードも含めて、「絞り」について掘り下げてみましょう。

絞り(F値)の変化はぼかす、くっきりの表現をコントロールする

写真の魅力の1つは「ボケ描写」です。
効果的にボケを取り入れた写真は見ていてとても美しいと感じますし、主題もきちんと浮き立ちます。

「きれいなボケ写真を撮りたい!」は、一眼レフカメラの購入動機としてもとても大きいんです。
コツをつかめば入門機でも十分に大きなボケを作れます。

以前のブログ記事でも紹介していますが、大きなボケを作るには、基本的に「絞り」をコントロールすることが必要です。
これは「ピントが合って見える範囲(被写界深度)を変化させる」ということです。

例えば、ある1点にピントを合わせて、その前後をぼかしたいとしたときには、まず、できるだけF値を小さくして(絞りを開けて)撮影すること。
そうすると、背景や前景がふんわりとボケて主題が際立つのです。

逆に、手前から奥の方までピントを合わせたいとき(風景写真に多く使います)には、できる限り絞りこんで(F値を大きくして)撮影します。そうすると、画面全体をシャープに描写できます。
ですが、あまりぎゅうぎゅうに絞り込んでしまうと、逆に画質が低下したり暗すぎの写真になったりするので、注意が必要です。

撮影モードで失敗を防ぐ!絞りとボケのコントロール

上の写真は、ピントの位置を固定した状態で絞りを少しずつ変えながら撮影したものです。
絞ったり開けたりすることによって、前後のボケが変化していることがわかると思います。

絞りは、レンズの中にある光を通す穴の大きさを変える羽根のようなものです。
この羽根を調整するのですが、無段階だと調整に苦労したり上手く再現したりできない場合があります。

このため、穴を通る光の量がちょうど2倍(または1/2)に調整できる区切りを決めています。
これを「段」という表現で表します。
例えば、F4をF5.6に変更すると、「1段絞った」ことになり、通る光の量は2分の1になります。

撮影モードを知ろう!

デジタルカメラには「撮影モード」なるものが必ずついています。
撮影モードの種類と特徴を知っておくと、その場面ごとに最適なものを選択できるようになります。中でも「絞り優先オート」は使いやすいモードなので、ぜひ覚えておきましょう。

この「絞り優先オート」モードは、カメラでは「A」「Av」などと記載されている自動露出のひとつで、任意のF値(絞り)を選択すると、カメラがシャッター速度を自動的に設定してくれます。
花や人物撮影、風景写真などに便利で、被写体の前後のボケを調節したい時には最適です。

絞りさえ調整してしまえば設定は基本的には自動なので、思わぬ失敗がないのも便利です。
ボケをまず最初に、ということであればこのモードでまず間違いないでしょう。

撮影モードで失敗を防ぐ!絞りとボケのコントロール

上の写真のように、大半のデジタルカメラではモードダイヤルで選択できるようになっています。

撮影モードの種類と特徴
プログラムオート(Pモード)
シャッター速度と絞りの組み合わせをカメラがすべて自動的に決めてくれるお気楽モード。
基本的にカメラ任せになるため、思い通りの撮影結果にならないこともある。
絞り優先オート(AまたはAvモード)
絞りを任意で決めることで、シャッター速度を自動的に設定してくれるモード。
花や人物など、ボケを効果的に使用したいときに選択する。
シャッター速度優先オート(SまたはTvモード)
シャッター速度の数値を決めることで絞りを自動的に設定してくれるモード。
スポーツ写真や鉄道写真など、動くものを撮影する時に適している。上手く使うと目に見えない一瞬を切り取ったりできる。
マニュアル露出(Mモード)
シャッター速度と絞り値の両方を手動で決めるモード。
効果を変えながらじっくりと撮影したい時や、オートモードの範囲を超えてしまう設定(星空や天体撮影など)に使うことが多い。

いかがでしょうか?
いままで触ったことのないダイヤルも積極的に使うことで、表現の幅が広がるかもしれませんよ。
ぜひ、この記事を読んでチャレンジしてくださいね!

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