こんにちは! 早寝早起きにもテクノロジー関連の話題にも弱い、コウモリ型文系人の石田です。(何もいいところなし……orz)
さて、マーケターの皆様にとってある意味、業務上最も身近な法律といえるのが、2004年施行の個人情報保護法。
その改正版が2017年5月30日に全面施行されるわけですが、それまでは規制の対象から除外されてきた「個人情報の件数が5000以下の小規模事業者」も対象となります。
ここで改めて、マーケティングの現場で意識したい個人情報保護法の基本ポイントについて、振り返ってみたいと思います。
個人情報は何を指す?
マーケティングの現場では、お客様の氏名や住所、メールアドレス、所属企業といった対外的なものから、家族構成や年齢、職歴、趣味、学歴、果てはIPアドレスやCookieのデータ等、膨大な種類の情報を収集し、活用しています。
法律での保護対象となるのは「生存する個人に関する情報であって、(1)氏名や生年月日その他で、文書、図画もしくは電磁的に記録されたもので、特定の個人を識別できるもの(2)個人識別符号が含まれるもの」です。
(1)については、氏名、住所、生年月日のようなものや、個人情報と紐づく情報(例:購買履歴、移動履歴)などが該当するようですが、(2)は何でしょうか?
DNAの塩基配列や虹彩の模様、指紋データといった個人の身体的特徴を変換した文字・番号・記号等の符号や、パスポート番号や基礎年金番号、運転免許証番号などさまざまな情報が該当するようです。
とにかく、膨大な種類の個人データが保護対象に含まれるってことですね。
利用目的の説明義務
そういった個人情報を、フォーム入力や応募ハガキ、会員登録など、さまざまなルートで収集するわけですが、事業者はその取得段階で、利用目的を通知または公表する義務があります。
たとえば「新商品のご案内を送付するため」「商品の配送及びアフターサービスのご連絡のため」などと、お客様に用途を説明することです。
名刺は個人データ?
ここで一例として、お客様から頂いた名刺はどういう扱いになるでしょうか。
記載内容をデータベースに入力して保管する段階で、個人情報となります。
この名刺に記されたアドレスに、直接、営業用のメールやダイレクトメールを送ってもよいのか?
ストレートに考えると、本人の同意を取っていないんだからダメっぽい?
でも、名刺交換で「営業メール送っていいですか?」などと同意を求める商習慣はありませんし、そもそも誰から見られてもおかしくない名刺に、自分の情報を明記して手渡ししている時点で、オプトインに同意していると解釈することもできます。
ただし、お客様ご本人から「自分の個人情報を開示してほしい」という請求があった場合には、対応する責任が生じます。
オプトアウトは法律と良識の両方で対応
原則として、あらかじめ本人の同意を得ずに本人以外の者に個人データを提供することは禁止されています。
この、本人の事前の同意を得ることが、オプトインです。
ユーザーがウェブサービスにメールアドレスを登録した際、営業メールの受け取りに同意するチェックボックスへの記入を求められるのは、オプトインでの対応です。
オプトインの逆が、オプトアウトでの対応です。
あらかじめ個人データの第三者提供を通知もしくは認識しうる状態にしておき(例:ウェブサイトのプライバシーポリシーへのリンクを明確な場所に張っておく)、本人が反対しない限り、第三者提供に同意したものとみなすことです。
先ほどの名刺データの活用もオプトアウトの一例ですが、たとえば、メールのフッターに配信停止リンクを挿入しておくことで、オプトアウトの手段を提供することになります。
このあたりは、法律と良識の範囲内での対応が求められる部分ですね。
冷静に見つめ直す時を
マーケに関わる以上、
1)個人情報保護法
2)法令や条例
3)業界内でのルールやガイドライン
4)社内の個人情報保護対応
など、いろいろ勉強しなくてはならないことがたくさんありますね。
あと、日本で売られているマーケツールの多くはアメリカ産。
当然アメリカの法律に則って仕組みが作られているはずなので、日本の国内法に抵触しない内容であるかどうか、チェックしておく必要があるかと思います。
とにかく、いままで当たり前だと思っていた現状での取り組みについて、適切なコンプライアンス対応がなされているかどうか、冷静に見つめ直す機会を持つことも良いのでは?
法律を遵守しつつ、商習慣や社会常識も意識することで、基本的にはオプトインが得られた人の個人情報のみが利用可能であると解釈しながら、かつ、自由にいつでもオプトアウトできる仕組みや方法を、明示的にそれとわかる場所で提供できていれば、かなりの部分はクリアになると思います。
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