散々おろそかになっていたルシダスのブログ更新、今年こそはマメに! と、社員一丸となって新年の抱負に掲げたものの……あれから早1か月半(汗)。
というわけで! いきなり挑発的なタイトルですが、マーケターとして、そして一人の消費者としても日頃から感じていることを、ストレートに書きたいと思います。それは、マーケティングメール(ニュースレターやメルマガも含めて全部)では、恐竜のような過去の遺物であるテキストメールは葬り去ろうというお話です。
日本のマーケティングの現場で、今も時々「HTMLメールは出せません」という言葉を聞くのですが、HTMLメールに抵抗する理由を十分な根拠から説明できる人には、現在のところお会いしたことがありません。
マーケターの立場からの考察
マーケターがHTMLメールから受けられる恩恵は、開封確認やメール内のリンクからのトラッキングのほか、魅力的なレイアウトや画像、配信後に画像の差し替えが効くなど、豊富にあります。
欠点があるとすれば、ウェブサイトと同様、コーディングや一定の表示テストが必要になることでしょうか。しかし、いまどきのメール配信システムであればテンプレート化できるものがたくさんありますから、配信のたびにコーディングをする必要はありません。
消費者の立場からの考察
では、一消費者の目線からはどうなのか? 私も仕事柄、多くのメルマガを拝読していますが、中には仕事とは関係のない個人的な趣味や生活に関するものもあります。そんな時、味気ないテキストメールが来ても、読む気になれません。たとえ物凄い新商品やサービスに関するものだったとしても、よほど気が向かなければ、目を通そうとは思わないのです。
対して、HTMLメールの場合は、画像をスキミングしたりしているうちに興味を引くものが見つかれば、「ちょっと読もうかな」という気にもなります。
そもそも、そのブランドへの興味があることが大前提ですから、HTMLメールにしただけで開封率が高まるというわけでもありません。しかしながら、裏を返せば、たとえ興味関心があるブランドからのメールであっても、テキストだとスルーされる可能性はかなり高いのです。
今もテキストメールを配信し続ける理由
決して少なくはない数の企業やブランドがいまだにテキストメールを出し続けるのには、きっと何か深い理由があるはず—。そう思って色々調べてきましたが、今のところ「そういう決まりだから」という以上の説明は聞いたことがありません。
ただ、「そういう決まり」になった背景はなんとなく想像がつきます。
今から10数年前にインターネットが一般に普及し始めた頃、電話回線にモデムをつなげ、ダイヤルアップやISDN回線で接続するのが一般的でした。ユーザーはプロバイダー料金に加えて、使用回線の電話代も負担していました。携帯電話の最新機種でもメールの送受信が可能でしたが、決してお安くはないパケット代金を気にしながら利用していました。
ところが海外、とりわけアメリカのようにインターネットが目覚ましく普及した地域では、同一市外局番内の通話料金はそもそも無料。携帯電話でメールの送受信なんていう不思議な機能はありませんでした。
そのため、日本でのみ、メールを受信する消費者側の経済負担が大きくならないように、メールの頻度や文字量に配慮し、添付ファイルや画像の使用を避ける配信スタイルが培われました。
それはそれで日本人らしさが感じられる心配りだとは思いますが、その気配り自体が意味を失うと、後は形骸化したマナーだけが残り、誰も得をしないどころか、窮屈な思いをするだけなのです。
今は、メールの画像表示で携帯電話料金が影響を受けることはないし、インターネット回線も常時接続となりました。HTMLメールは、ここ数年間に販売されたすべてのガラケーでも表示できます。
そういうわけで、テキストメールから脱却し、企業と消費者の双方にメリットがあるHTMLメールを使いましょう!
かといって、何でもかんでもHTMLメールに詰め込めばよいというわけでもないのですが……そのお話はまた今度。
執筆者プロフィール
- 株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]
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