マーケティングオートメーションの不都合な真実:その2

マーケティングオートメーションの不都合な真実:その2

〜その2:オートメーションはオートマチックではない〜

本シリーズ第一弾では「ツールは戦略にあらず!」として、ツールの導入だけでは結果が伴わないことについて述べました。
今回は、それと似たような内容で少し異なる、マーケティングオートメーション(MA)の「オートメーション」にまつわる誤解についてお話します。

「オートメーション」と聞けば、何かが自動的に動くという印象を受けるでしょう。あながち間違いでありません。
マーケティングコンサルタントとしてもそうイメージしていただいたほうが話しやすいのも確かです。
しかし、実際には「自動的に」何かを動かすのではなく、「自動化」に貢献するツールという方が正確です。

では何が違うの?と思われるかも知れませんが、大きく異なる点があります。
MAは自動的にリードを取得したり、ナーチャリングをしたりはしてくれません。
マーケターが描いたルールに則って、指示された事を、指示された通りにしか実行してくれないのです。

押さえておきたいのは、「的確な戦略に基づかない自動化は、失敗のスピードアップにしかつながらない」という点です。
例えば、購入見込み度の高い見込顧客リストの選定基準に問題があれば、実際には購入見込み度がさほど高くない人を大量に営業部門に送客してしまった、あるいは逆に、送客したリストの規模が小さすぎた、といった問題が起こります。

繰り返しますが、MAは自動的に成功する施策を実施してくれるわけではなく、あくまでマーケターが事前に立案した施策を指示通りに実施するツールでしかありません。
そのため、これまで以上に戦略を綿密に練る必要が出てきました。
ここの部分は残念ながら自動化されていませんので、くれぐれもツールを導入しただけで安心せず、「オートメーション」が「オートマチック」ではないことを念頭に置きながら、その先にある実際の施策の具体的な内容に注目するようにしましょう。

とは言え、MAを活用することで、それまで施策の「実施」部分に費やしていた時間を戦略立案に割くことができるのも確かです。
もし、まだMAを導入していないのであれば、業務効率の改善の面でも一度、検討してみるのも良いかも知れません。

執筆者プロフィール

池上ジョナサン
池上ジョナサン
株式会社ルシダスの代表にしてマーケティングロックスターを自認しており、経営とマーケターの二足のわらじでお客様の課題解決に邁進する…[続きを読む]

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